二か領用水は、多摩川の右岸側・川崎市多摩区から幸区にかけて全長約32kmの神奈川県下で最も古い人工用水路です。関ケ原の合戦以前に測量が開始され、14年の歳月をかけて完成したこの用水は、川崎が近郊農業地帯から工業地帯へと変貌していく中で、この地域の生活や産業を長らく支えました。
川崎が近郊農業地帯から工業地帯へと変貌するにあたり、水路開削200年を契機に、川崎市では流域の環境整備を行い、散策しやすい環境を整えました。
1回あたりの歩行距離は5～６キロほどの全5回ですが、平坦なコースで途中に昼食休憩を挟みますので、無理なく歩けます。
以下が、各回の講座内容です。
１：上河原堰～向ヶ丘遊園 ～関ケ原以前から計画された川崎のいのちの水～
【概要】
二ヶ領用水は多摩川などを水源とし、川崎市を貫くように流れる全長約32kmの神奈川県下で最も古い人工用水路です。ここでは上流部の取水口と水流調整のための様々な仕組みを見ていきます。
【想定コース】
JR南武線稲田堤駅 → 三沢川 → 上河原堰堤・二ヶ領用水上河原取水口 → 中野島草堰 → 沖河原橋→ 中野島稲荷 → 昼食 → 紺屋前の堰跡 → 台和橋 → 小泉橋 → 五ケ村堀取水口 → 五反田川 → 小田急線向ヶ丘遊園駅
行程距離：５ｋｍ
開催日時 ２０２０年 ９月２５日（金） 10：30開始 ～ 15：00頃終了予定
２：登戸～溝の口 ～土木遺産の円筒分水など利水・治水の知恵が満載～
【概要】
もう一つの取水口である宿河原可動堰や、丘陵地帯から谷戸を巡って流れ出す小河川の導水など、様々な利水・治水の知恵が詰まった区間です。また、水争いが絶えなかった流域の問題を解決するために、村の耕地の規模ごとに正確に水量分配を行う「久地の円筒分水」は土木遺産にもなっています。
【想定コース】
小田急線登戸駅 → 宿河原可動堰 → 二ヶ領せせらぎ館 → 舟島稲荷神社 → 八幡下込樋 → 昼食→ 平瀬川トンネル → 久地神社 → 久地不動尊 → 久地円筒分水 → 溝口神社 → 宗隆寺 → 東急田園都市線溝の口駅
行程距離：５ｋｍ
開催日時 ２０２０年 １０月９日（金） 10：30開始 ～ 15：30頃 終了予定
３：高津～武蔵小杉 ～宅地化しても旧地の名残、水路跡が示す複数の境界～
【概要】
久地円筒分水で分けられた水路のうちの川崎堀を辿ります。高津から武蔵小杉までの区間は住宅地や工場地になっているところがほとんどですが、用水沿いにはまだ果樹園や畑が残っている場所もあります。この辺りは多摩川の流れが大きく蛇行していたこともあり、対岸の世田谷と関係の深い寺社もあります。
【想定コース】
東急田園都市線高津駅 → 弁慶島跡 → 二子塚の碑 → 石橋供養塔 → 井田堀取水口 → 昼食→ 常楽寺 → 宮内春日神社 → 高願寺 → 泉澤寺 → 小杉陣屋跡 → 今井神社 → 東急東横線武蔵小杉駅
行程距離：６ｋｍ
開催日時 ２０２０年 １０月２３日（金） 10：30開始 ～ 15：30頃 終了予定
４：武蔵小杉～鹿嶋田 ～農業用水から工業用水へ地域産業の変遷とともに～
【概要】
工業地帯へと入ってくると、幹線道路や鉄道を何度もまたいで流れていきます。そして、鹿嶋田では下平間・古市場方面に流れる平間堀、川崎大師方面へ流れる大師堀、尻手・鶴見方面へ流れる町田堀に分かれます。子の分岐点のそばには大石内蔵助が吉良上野助邸へ討入りを果たす前に隠れ家としていた家の跡があります。
【想定コース】
東急東横線武蔵小杉駅 → 渋川分岐点 → 大乗院 → 川崎平和公園 → 御幸跨線橋 → 昼食 → 朱印橋 → 大師堀・町田堀分岐点 → 平間配水場 → 大師堀緑道 → 称名寺・赤穂義士隠れ家跡 → JR南武線鹿島田駅・横須賀線新川崎駅
行程距離：６ｋｍ
開催日時 ２０２０年 １１月６日（金） 10：30開始 ～ 15：30頃 終了予定
５：鹿嶋田～鶴見市場 ～分岐を繰り返した用水は鶴見川へと落ちる～
【概要】
前回の分岐点から町田堀の水路跡を辿ります。平間堀・大師堀と分かれた水路は南流して、さらに南河原用水を分水した後、クランク上に曲がるなどして旧東海道を越えた先で鶴見川に落ちます。途中、水戸光圀ゆかりの浄蓮寺や矢向の地名由来となった矢止め地蔵などにも立ち寄ります。
【想定コース】
JR横須賀線新川崎駅 → 浄蓮寺 → 町田堀ふれあい公園 → 南河原用水分岐点 → 二か領水路跡の碑 → 昼食 → 良忠寺 → 最願寺 → 矢向日吉神社 → 小土呂堀・新川堀 → 夫婦橋 → 京急線鶴見市場駅
行程距離：６ｋｍ
開催日時 ２０２０年 １１月２０日（金） 10：30開始 ～ 15：30頃 終了予定
会費は各回とも資料代・昼食代込みで￥6,000となります。各回個別申込もできます。
宜しくお願い致します。
